こんにちは、ブログの管理人です。
昨年は令和の米騒動が起きました。
今年は打って変わって米余りです。
このブログでも米政策について
昨年書かせていただきました。
今回はこの米余りもについても
持てる知識をフル動員でして
この現象を読み解いてみたいと思います。
どうぞ最後までお付き合い下さい。

「お米がない」
「スーパーに行っても棚が空っぽ」
「5kgのお米がこんなに高いなんて……」。
ついこの間まで、
そんな話をしていたような気がしませんか?
ところが2026年になると、
今度は一転して「米余り」が
心配されるようになりました。
あれほど足りなかったお米が、
なぜわずか1~2年で余るようになったのでしょう。
実はこれ、単純に「お米を作りすぎた」
というだけの話ではありません。
米不足を解消しようとした動きと、
消費者の買い方の変化などが重なった結果なのです。
そもそも、なぜ米不足になった?
振り返ってみると
、2024年から2025年にかけて、
お米を取り巻く環境は大きく変化しました。
猛暑による品質への影響に加えて、
外食需要などが回復。
さらに流通するお米の在庫が少なくなり、
スーパーでは品薄が目立つようになりました。
そして、
私たちの生活にもっとも大きな影響を与えたのが
「値上がり」です。
スーパーに並ぶお米の価格が上がり、
「以前と同じ感覚では買えない」
と感じた家庭も多かったでしょう。
政府も備蓄していたお米を市場に出すなど、
供給を増やす対策を行いました。
ところが、この「お米を増やそう」という動きが、
少し時間がたって別の問題を生み始めます。
2026年は一転して「米余り」へ
2026年9月に農林水産省が示した見通しでは、
2026年産の主食用米の生産量は735万~754万トン。
さらに、
2027年6月末に民間企業などが抱える在庫は
246万~283万トンになると見込まれています。
米の取引にかかわる人たちの間では、
6月末の在庫は180万~200万トン程度が
適正とされているため、
それをかなり上回る可能性があります。
つまり「スーパーでお米が売れ残って山積み」
という意味ではなく、
国内で必要とされる量に対して、
お米の供給にかなり余裕が出てきたということです。
では、
なぜこんなに急激に状況が変わったのでしょうか。
理由① 米不足を受けて生産が増えた
まず大きいのが、
米不足と価格高騰を受け、
生産を増やす動きが広がったことです。
2026年6月末時点の主食用米の作付け意向は
136万ヘクタール。農林水産省は、
平年並みに収穫できれば732万トン程度になり、
需要見通しを上回ると試算していました。
不足して値段が上がれば、
「それなら、もっと作ろう」と考えるのは
自然なことです。
ただ、
お米には少々やっかいな特徴があります。
理由② お米は「足りないから来月増産」ができない
工場で作る商品なら、
生産ラインを増やして短期間で増産できる
場合があります。
でも、お米はそうはいきません。
春に田植えをして、育てて、
秋にようやく収穫です。
「お米が足りない!」
という情報を受けて農家が生産を増やしても、
実際にお米が市場に出てくるのはずっと先。
その間に消費者の需要が変われば、
「足りないと思って増やしたら、今度は多すぎた」
ということが起こります。
この時間差こそ、
お米の需給調整が難しい理由の一つなのです。
理由③ 高くなったお米を消費者が買わなくなった
もう一つ見逃せないのが、価格です。
お米が高くなれば、
家計を守るために購入量を減らしたり、
パンや麺類などを選んだりする家庭も出てきます。
実際、
2026年6月に米穀販売業者が販売した精米の数量は、
前年同月を下回っています。
つまり、
「米不足になる」
↓
「値段が上がる」
↓
「消費者が買い控える」
↓
「需要が減る」
という現象も起こり得るわけです。
不足していたはずなのに、
値上がりによって今度は売れにくくなる。
なんとも皮肉な話です。
理由④ 備蓄米も市場に出てきた
米不足への対策として、
政府は備蓄米も市場に放出しました。
もちろん、
「備蓄米を出したから米余りになった」
と考えるのは単純すぎます。
生産量が増えたこと、
在庫が回復したこと、
消費者の需要が変化したことなど、
いくつもの要因が重なっています。
米不足を解消するために供給を増やしたところへ、
新しく収穫されたお米も加わる。
その結果、
今度は供給に余裕が生まれてきたわけです。
米が余れば、値段は安くなる?
消費者として気になるのは、
やっぱりここでしょう。
「それだけ余るなら、お米は安くなるの?」
実際、スーパーで販売されるお米の平均価格は
2026年に入って下落傾向も見られています。
ただし、在庫が増えたからといって、
すぐ以前の価格まで戻るとは限りません。
お米を作るための肥料や燃料、
農業機械などにもお金がかかりますし、
流通にも費用がかかるからです。
そして忘れてはいけないのが農家です。
消費者にとって値下がりは歓迎したいところですが、
価格が下がりすぎれば農家の収入が減ります。
「こんな価格では作れない」
と翌年の作付けを減らす農家が増えれば、
数年後に再び米不足になる可能性だってあります。
「米不足→米余り」を繰り返さないために
こうして見てみると、
2026年の米余り問題は、
単なる「作りすぎ」の話
ではないことが分かります。
米不足になったから生産を増やす。
ところが、お米ができるまでには時間がかかる。
その間に価格上昇などで需要が変化し、
今度は在庫が増えてしまう。
いわば、
需要と生産のタイミングが
すれ違ってしまったのです。
余ったお米については、長期的に販売したり、
加工食品や輸出向けに回したりする取り組みも
進められています。
私たち消費者からすれば、
「お米が余るなら安くなっていいじゃない」
と思いたくなります。
でも、安くなりすぎて農家が作らなくなれば、
また不足するかもしれない。
不足しても困る。余りすぎても困る。
毎日のように何気なく食べている一杯のご飯ですが、
その価格を安定させるのは、
思っている以上に難しいことなのかもしれません。
